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パースとは?アニメ制作の基本用語!練習法も紹介

アニメ パース

 

 皆さんは、パースという言葉を聞いたことがあるでしょうか。マンガやイラスト制作の経験がある方、又は建築関係の仕事をしている方は耳にしたことがあるかもしれませんが、そうでない人は普段あまり聞きなれない言葉かもしれません。本記事で指すパースは、マンガやアニメ制作におけるパースですが、実はマンガ・アニメ制作においてパースとは欠かせない、非常に重要な技法です。そこで、こちらの記事ではパースとは何なのか、その技法について、練習方法や種類、そして最後にパースの練習にオススメのツールをご紹介します。

アニメーション パース

パースとは?

 パースとは、英語の「Perspective(パースペクティブ)」の略称で、日本語では遠近法のことを指します。パースではなく遠近法と聞くと、多くの方が一度は耳にしたことがある馴染みの言葉になるのではないでしょうか。遠近法、つまり遠近感を表すための技法です。

 距離や位置関係によって被写体の形や大きさに変化をつけて、奥行きや空間を表現します。遠くにあるものは小さく見えて、近くにあるものは大きく見えるという奥行きの理論で、パースを意識して描くことで、より自然で違和感がなく、かつ臨場感のある絵を描くことができます。

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パースの技法を紹介

 一言でパースと言っても、実はその技法には様々な種類が存在します。そこで下記では、パースの技法を紹介したいと思います。

1. 透視図法

 まずは透視図法です。透視図法とは、皆さんが遠近法と聞いてイメージするような、最もよく知られている図法です。遠くにあるものは小さく描き、近くにあるものは大きく描く、そして、地平線上の「消失点」で消えるように描く図法のことです。消失点を先に決めて、そこに向かって集まる線を基準にイラストを描くことで、奥行きや遠近感を表現することができます。小学校などで描く、奥行きがある正方形の図をイメージするとわかりやすいかもしれません。

 この透視図法にも種類が3つ存在します。一点透視図法、二点透視図法、三点透視図法です。それぞれ、一言で表すと消失点の数が1つ、2つ、3つの図法です。

    • 一点透視図法

 消失点を1つ定め、すべてのものがその消失点に収束するように描く透視図法です。とにかく1点に向けて線を引く単純な透視図法のため比較的簡単で、部屋、室内の背景や廊下などに使われることが多い図法です。一点透視図法では対象物が地面に対して垂直に立っています。立方体で表すと、真正面から見た際の図になります。

    • 二点透視図法

 消失点を2つ定めて描く透視図法です。マンガの背景などで使われることが多く、建物の外観、部屋の背景などを描く際に使われます。一点透視図法と同様、対象物は地面に対し垂直に立っています。立方体で表すと、少し横方向に回転させたもので、先ほど透視図法の概要部分で説明した「小学校などで描く奥行きのある正方形」のイメージはこちらの二点透視図法にあたります。

    • 三点透視図法

 消失点を3つ定めて描く透視図法です。二点透視図法の上または下に消失点を追加します。​​縦方向のみに消失点がある一点透視図法、縦横二方向に消失点がある二点透視図法、そして三点透視図法は縦横高さの三方向に消失点が存在します。アオリやフカン、つまり対象物を下から見上げたり、上から見下ろしたアングルを表現する際には三点透視図法を使います。対象物が視線より上方、下方に傾いた際のみ三点透視図法となります。

2. アイレベル

 パースと共に知っておかなければいけないのが、アイレベルです。アイレベルとは、視点の高さのことを指します。カメラアングルの1つで、人間の平均的な目の位置のアングル、又はカメラを置いた位置の高さを表すラインでもあります。

 構図を決める際に、アイレベルの位置を設定し、それに合わせて絵を描きていきます。アイレベルは目線の高さのため、基本的には絵の中で1番見せたい又は伝えたい絵をアイレベルの位置に持ってくることが多いです。また、アイレベルは、絵の中の空間において水平におくというのが基本になります。これは、絵の中で水平が傾いていればアイレベルも傾くということです。つまり、必ずしも絵の枠に対して水平というわけではありません。

 さらに、アイレベル上のものは同じ高さであることも基本です。例えば中央に人物がいて、アイレベルが腰の高さだとすると、その後方、前方どちらに人がいても、人物の大きさは異なるものの腰の高さは必ずアイレベル上に存在します。

 パースには様々な技法があり、パースと共に重要になるのがアイレベルです。消失点同士を近づけすぎないようにすることや、アイレベルの位置は極端に上にしたり下にしたりしないようにすることなど、注意点もいくつかあるため、併せて勉強してみると良いかもしれません。

パース 遠近法

パースの練習方法

 さて、ここまでパースについてご紹介しましたが、実際にパースという技法を使えるようにするためには練習が必要ですよね。そこで以下では、パースの練習方法を具体的にご紹介します。

1. ラフ画を描く

 まずはラフ画です。大まかな構図を決めるために、まずはラフ画を描いてみると良いでしょう。先ほどから何回かイメージとして使っている立方体など、箱を練習に使うとわかりやすいです。慣れてきたら、建物など少し複雑なものでも練習しましょう。ラフ画の時点で、構図に加えて地平線や消失点もなんとなくイメージしておくとスムーズに描けます。

2. 消失点を決める

 続いて、消失点を決める作業です。ラフ画を描いた後に、消失点を決めて、地平線と消失点から伸びた線も一緒に下書きをします。ラフ画で描いた箱のラインをそのまま延長し、画面に対して平行な地平線とぶつかった部分が消失点となります。この時、消失点同士が近くなりすぎないようにすることがポイントです。

3. 線を引く

 消失点と箱の頂点を線で結び、不要な線を消して清書したら完成です。

パースで分割する方法

 続いては、パースで分割する方法を解説します。パースで分割とは、絵の中でパースがかかった部分を等分することを指します。絵に描かれている窓をイメージするとわかりやすいかもしれません。パースでの分割は、対角線を引いてその間隔を決めます。

 二等分の場合は対角線の中心を通る垂直線を引くだけで完成です。三等分の場合は、二等分の際に引いた垂直線と左右の線の間にそれぞれ対角線を引いて、その対角線の中心を通る垂直線を引くことで三等分にすることができます。二等分ができれば、四等分も描けますよね。

その他のパース技法「空気遠近法と色彩遠近法」

 パースの技法として、透視図法をご紹介しましたが、パースの技法はそれだけではありません。空気や色彩を活用して遠近感を出す、空気遠近法と色彩遠近法についてもご紹介します。

 空気遠近法とは、遠くにあるものは薄く、近くにあるものは濃く描くことで遠近感を表現する技法です。大自然の景色を見た時、遠くにある山は輪郭がぼやけて薄く見えるように、絵においても色の濃さに変化を加えることで奥行きを出します。

 また、色彩遠近法とは、色の見え方を利用して遠近感を表す技法です。同じ大きさの図形でも、暖色と寒色を並べると錯覚で暖色の方が手前に見えるため、この錯覚を利用して奥行きを表現します。目立たせたい部分には暖色を使うなど、配色を考える際に使える技法です。

パースの練習に最適ツール
Animation Desk

 最後に、パースの練習におすすめのツール「Animation Desk」をご紹介します。

 Animation Deskは、動画や写真を素材にしたアニメーション作成が可能で、初心者でも直感的に制作を行うことが出来るアニメーション制作ツールです。デッサンやスケッチをする事ができるため、パースの練習が可能で、付属している機能を利用することで、より効率的に描画を行うことができます。効率的なだけでなく、ハイクオリティなアニメーション制作を実現することが出来るツールのため、初心者からプロまで幅広い層に活用されており、様々な賞の受賞歴もあります。また、AndoroidやiOS、Windows10などあらゆるデバイスで再編集が可能です。

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まとめ

 いかがでしたか?今回は、パースについて、技法や練習方法、そしておすすめの練習ツールをご紹介しました。是非今回ご紹介した内容を参考に、パースの練習をしてみたり、その他の技法についても調べてみてくださいね。

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